ソウルフード(Soul Food)という言葉があります。もともとはアフリカ系アメリカ人の伝統料理を指す言葉のようですが、いまやもっと広い意味で「その地域特有の、その地域で親しまれている郷土料理」を表す言葉として定着しています。その土地で採れた農産物や水産物を、その土地の料理法で、その土地の人が子供のころから愛着をもって、世代を超えて食べ続けているもの。まさに地産地消であり、ソウルフードです。

日本人は昔から小麦を色々な料理に使い、お米だけではない、日本の食文化として、各地域の「郷土食」となっています。

oyakiその一つとして、信州北部特有の郷土食である「おやき」があります。おやきは素朴な食べ物です。野菜や山菜を油で炒め味噌や醤油で味付けし、小麦粉を練ったもので包んでこんがりと焼き、家族は囲炉裏を囲み夕食のひとときを過ごしていました。近代になって多くは蒸すようになりました。粉食の歴史は古いものです。小川村の縄文時代の遺跡からは、雑穀の粉を練って焼いた跡が発見され、一説にはこれがおやきのルーツだと言われています。

いまでは「縄文おやき」のブランド名で、村作り事業の一環として信州「小川の庄」で販売され、広く全国にその名が知られています。
oyaki_2おやきは信州でも水田が少ない山間の畑作地帯のかつては日常食でした。耳たぶくらいにやわらかく練った小麦粉に味噌や醤油で味付けした季節の野菜をたっぷり包み込み、焼いたり蒸したりして作ります。その昔、農家の娘たちは「おやきが上手に作れなくては嫁のもらい手がないぞ」と育てられ、皆、おやき名人になっていきました。

おやきには蒸したおやき、灰の中で蒸し焼きにしたおやき、笹の葉や茗荷の葉を巻いてゆがいたおやき、ゆがいてしその葉を巻いたおやきなど、各家庭で味も作り方もさまざまです。

日本の小麦は各地に郷土料理として根付いています。そうした「食文化」をこれからもご紹介していきたいと思います。

まさに日本のソウルフードです。

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